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素直になれなくて
第4章 過去の
「よ、久しぶり。」
浅井は軽く手を挙げて言った。
「まさか、お前から依頼があると思わなかったよ。」
「悪いな。」
そう言って、浅井は手に持っていたコーヒーを渡す。
浅井は、新幹線の駅のホームにいた。
高校の同級生の中島は、興信所で仕事をしている。元々警察官志望だったが、色々紆余曲折あったようで、今の仕事に落ち着いた。
新幹線に乗ると、中島は色々資料を取り出した。
「とりあえず、東京で調べられるものは、調べてきた。」
「入院先の病院とかわかったのか?」
「まあ、順を追って話すから。」
浅井は、悠里の元カレの最後を調べるため、中島に依頼した。
悠里が吹っ切れないのが、死に目に会ってない事にあるなら、墓でも拝めば少しは前に進めるのではと思ったのだ。大きなお世話かもしれないが、今の浅井にはこれが最良の選択に思えた。
「名前は、滝島 浩樹。17歳の時に発病。12月に東京女子医大に入院してる。何回か入退院を繰り返して、4月に長野のまつもと医療センターに入院してる。」
「すごいな。中島。プロだなぁ…」
浅井は、感心していたが、次の中島の言葉に目を見開いた。
「本当に、亡くなったのか?」
「え?」
「いや、戸籍を調べたら、ハッキリするんだろうけど。他人が請求するのは、今厳しいからな。」
「なんで、死んでないって結論になるんだ?」
「移植が成功して、退院してるんだよ。」
「え…」
浅井の顔が強張った。
「とりあえず、退院後通っていた高校を調べたから、そこでちょっと話を聞いてみようと思うけど。」
「ああ。」
生きてる…ならなんで悠里に連絡しなかった。退院出来たなら、俺だったら1番に連絡する。なんで…
浅井は複雑な気持ちを抱えたまま、長野に向かった。

小さな、こじんまりとした高校。校長先生が学校内を案内しながら、応接室へ通してくれた。
「滝島くんは、2年に編入してまして。本来なら、大学1年の年齢ですが、入院されていたので。」
「卒業はこちらの高校を?」
「ええ。途中再発して、また入院して、流石にまた留年はこちらも心苦しくなって、入院先の病院と相談して、可能な限り病院で授業をさせてもらって。」
「そうなんですか。」
「大学受験して、進学されたんですよ。」
「その後を知っている人は、どなたか居ませんか?」
「彼の同級生が、この町の役場で働いてますが。」
「お名前、伺えますか?」
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