この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
素直になれなくて
第4章 過去の
悠里は、物凄い勢いで玄関へ歩いて行く。
「あ、ちょっと待てよ!」
浅井は、悠里を追いかけ、悠里の腕を掴むと、壁に押しやる。
「ちょっと、離して……」
「酔ってなければ良いって事?」
「意地悪…言わないで…」
「…ごめん…」
浅井は悠里を離すことが出来ない。手に力が篭る。
きっと、田坂から奪うなら、今がチャンス…なんだ。
「浅井……?」
「ちくしょうっ……我儘言うぞ?」
「浅井……」
「このまま、俺といてくれ…頼む……」
悠里は、戸惑った。浅井が言った初めての我儘だった。
「浅井……私……」
「悠里を…ずっと待ってたのは俺だ…なのにどうしてアイツに奪われるっ!」
悠里は、潤んだ瞳で浅井を見つめる。
今にも泣きそうな悠里を見て、溜息を吐いた。
「…ごめん…悠里…忘れてくれ……」
「浅井…ごめん……」
悠里の頬に大粒の涙が伝った。
「浅井の優しさに、甘えてばかりで……ごめんね……」
そう言うと、荷物を持って部屋を出ようとする。
「悠里!」
浅井は、悠里の腕を掴んで引き寄せる。
「…俺…優しくないよ…入社してから、お前に告る奴、片っ端から潰してた。」
「……知ってる……」
「え?……」
「私の親友、誰だと思ってるの?」
あ、桜庭か……
「知ってる…浅井がどれだけ待ってたのかも……」
「……田坂の事……好きなのか…」
悠里は、浅井をゆっくり見つめる。
「たぶん…」
「アイツの事、忘れられるのか?」
「……わからない……」
浅井は、拳を握りしめた。
その手を、悠里は優しく包み込む。
「もう、良いよ……嫌いになって……」
「……なっ…」
「浅井が辛いなら……部署…移動願い出すから…」
浅井は悠里の腕を掴むと、強引に唇を重ねた。
悠里は抵抗しなかった。ただ、涙を流していた。
ゆっくりと唇をはなすと、浅井は悠里を抱きしめた。
「抵抗しろよ……馬鹿……」
「……ごめんね……」
「…嫌いになれるなら、とっくになってるよ。」
浅井は悠里の髪を撫でた。
「…部署移動願いなんて出したら、泣くからな?」
悠里は、俯いたまま、頷いた。
「目の届かない所に行かないでくれ…頼む…」
浅井は悠里の頭を引き寄せる。
「もう一度、キスさせて。」
そういうと、悠里の返事を待たずに、唇を重ねた。
/147ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ