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素直になれなくて
第7章 事件
「それ、持つよ?」
浅井がニヤニヤ笑いながら、田坂に声を掛け、松葉杖を持った。
「すみません。」
顔を赤くしながら、田坂は浅井に杖を渡した。
「悠里、愛されてるわねぇ〜」
恵美はクスクスと笑った。

「だから、下心があるって言っただろ?」
病室に戻ると、田坂は悠里に言った。
「…ごめんなさい…」
「もう少し、危機感を持ってくれないと…」
田坂は、少し呆れた様に悠里を見ていた。
「鈍感だからな、悠里は」
浅井が追い打ちをかける。
悠里は俯いて、落ち込んだ。チラッと恵美を見た。
「私に助けを求めないで。今回ばかりは同意見だわ。」
恵美は相変わらずニヤニヤ笑ってる。
「だって、先生なんだよ?リハビリの…」
まさか、そんな風に思われてるなんて、思いもしなかった。
「そりゃ、お医者さんだって男だもん。若くて可愛い女性相手だったら…ねぇ?」
「そうだな。」
浅井は顎に手を当てて、ニヤッと笑った。
「あと3日、気を抜くなよ?」
田坂は心配そうに、悠里を見た。
「もうリハビリないから、大丈夫だよ。」
悠里はため息を吐きながら、俯いた。
あ。そうだ。と浅井が思い出した様に話題を変えた。
「三軒茶屋の新店舗、オープニング1週間後になったから。」
「え、なんで?予定では明日だよね?なんかトラブル?」
「お前だよ。トラブルは…」
「は?」
私、何かしたっけ?
「部長も、店長も、従業員の皆も、悠里がいないオープニングはあり得ないって。」
浅井が、悠里の頭を撫でながら言った。
「ウソ?」
「本当だよ。」
悠里の瞳に、瞬く間に涙が浮かんでくる。
田坂は悠里の頭を撫でている浅井の手をつねり、悠里の頭から引き剥がす。
浅井は不服そうな顔をして、田坂を睨んだ。
「なんだよ?ヤキモチ妬きめ!」
「悠里はオレのです。」
「知っとるわ!アホ。だから頭ナデナデで我慢してるんだろ?」
「撫でるのもダメです!」
2人のやり取りを見て、恵美は大声で笑っている。
「嬉しい…本当に…」
悠里は2人の言い合いを無視して、肩を震わせて泣き出した。
「悠里…良かったな?」
田坂は肩を抱きしめて、頭を撫でた。
「頑張ったから。ご褒美だな。」
浅井が悠里に言った。
「うん。ありがと。」
病室は、浅井と田坂の掛け合いと、恵美の笑い声でしばらくの間賑わっていた。悠里は、久しぶりに浅井と恵美の顔を見られて嬉しかった。
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