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素直になれなくて
第7章 事件
悠里の退院の日が決まり、今日は浅井と恵美と一緒に田坂は見舞いに来ていた。
「悠里?」
病室を開けると、悠里がまたいない。
「あれ?あ。」
ベットにメモが残っていた。
ーリハビリ室に居ますー
3人はリハビリ室に向かった。田坂は機嫌が悪かった。
「田坂くん、不機嫌?」
「行ったら分かりますよ?」
恵美は不思議そうに田坂の顔を見た。
リハビリ室に行くと、悠里が歩行訓練をしている。
「なるほどね、あれは駄目だわ。」
恵美はふと見上げると、田坂も浅井も顔が引きつって居る。
「なんだ、あの若い奴、悠里にベタベタ触りやがって。」
浅井が唸るように言った。
「介助してるんだよね?でも、なんか…近くない?…」
恵美は、少し頬を染めて見ていた。
「やっぱり、下心あるって!」
田坂は、頬を膨らませて言った。
歩行訓練している悠里の腰を、抱くように支え、顔を近づけては微笑んでいる。今にもキスでもしてしまいそうな距離感…
「ムカつく…」
田坂と浅井が同時に呟くから、恵美は思わず吹き出して笑った。
「あ。」
恵美が不意に声を上げる。
リハビリ中の悠里がバランスを崩した時だった。
加藤が支えようと手を伸ばした瞬間、横から田坂が割り込んで、奪うように抱きしめた。
「あ、ヒロくん?来てたの?」
悠里は、突然の事に驚きながら田坂を見た。その視線の先に、恵美と浅井がいる事に気付く。
「悠里は、オレのだ。」
「ちょっとヒロくん、何言ってるの?」
悠里は耳まで真っ赤になった。
「帰るぞ。」
田坂は何故か怒ってる。
隣で加藤はニヤニヤと笑っている。
「彼氏、ヤキモチ妬いちゃったのかな?」
そう言う加藤に、田坂は言った。
「お前、患者との距離が近い!近すぎる!」
その言葉に、加藤は満面の笑みを浮かべて笑った。
「悠里さんだからですよ?」
その言葉に一番ビックリしたのは悠里だった。
「あの…それは…」
「悠里さん魅力的だから。さっきだってチャンスだったのに。」
悠里の耳元で、彼氏さんに邪魔されちゃったから。と囁いた。
悠里は真っ赤になって、加藤を見上げた。
「真っ赤になって、可愛いですね。」
「あ…」
田坂は、悠里を抱き上げると、松葉杖を手に持った。
「リハビリはもう必要ない。帰るぞ!」
お大事に、と笑う加藤を睨みつけ、田坂はリハビリ室を後にした。
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