この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
今日私は自分の子供を殺しました
第4章 鎖
あたしとアンリちゃんは
アパートに帰ってきた。
アオイはまだ仕事で居ない
『じゃあ、お母さん帰るからね』
『あ、うん送ってくれてありがとうね。それと…いろいろとごめんね』
あたしは母親に謝った
我が子を殺すような子に育ってしまって
ごめんなさい。
『…しっかりアンリちゃんを育てるのよ。』
母の言葉は強く深く心に突き刺さった。
母には勝てない。
閉まったドアをいつまでも眺めながら
あたしは母の偉大さを改めて知った。
今回の中絶手術の費用はあたしの親が出してくれた
アオイの親は妊娠したことも中絶したことも
知らない。
そして友達にもユリにさえ
中絶したことは
誰にも言わなかった。