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飼育✻販売のお仕事
第19章 甘い残り香
退店間際の警報は、執念深く鳴り続けていた。
ただ違うのは、里子から、胸騒ぎにとりあえるだけの余裕が消えていたところだ。
里子はりつきを呼びながら、パフスリーブのネグリジェを除き、生まれたての少女のごとく秘境を暴いた。
りつきは、昼間より現実染みていた。化粧が施されていない所以もあるかも知れない。
「ん……」
何一つ隠すことなく白熱灯を浴びた女体は、里子が今日までいだいてきた女という概念を覆した。りつきはそれだけ美しかった。
「綺麗だわ……」
「えと、……ぁんっ」
濡れた唇を啄ばみながら、乳房を触れるか触れないかの力加減で包み込む。
この感触は覚えていた。水無月中旬──…里子がりつきを飾った白い果実に触れたのは、これが初めてではない。口づけも、今や何度目になるか分からない。だが、あれらは仕事の一貫だった。
「ぁっはぁ、はぁぁ……」
「抑えないで。力抜いて。……声、出して」
ちゅぅぅ…………
「ああっっ」
硬いまで尖った乳首を唇に覆い、里子は舌先でそれを転がす。
まるで意思を持つ肉質のグミは、舌の中でひとしお強張る。里子が唾液を塗りつける度に、ソプラノが喘ぐ。
逃げかけた上体を腕から引き寄せて、里子はりつきの右手の指の一本一本を撫でていった。乳房を遊ぶ。サーモンピンクの乳輪の上で濡れた音を立てながら、里子はひくひくと顫える肉叢をすみずみまでまさぐらんと愛撫を散らす。