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飼育✻販売のお仕事
第19章 甘い残り香


「りつき、……」

「んんっ」

「私のこと、好き?」

 唇にまとわる愛液を喉に流して、里子はりつきの吐息を封じた。

 ちゅ、と、刹那のキスのあと、二つの涙目を覗き込む。


「やめたい?」

「っ……、……」


 いっそ壊してしまいたかった。あの少女に似ているりつきを、彼女の代わりに傷つけて、身も心も屠りたかった。

 だから里子はりつきを誰にも触れさせなかった。りつきの尊ぶ愛を砕くこと、そこに得も言われぬ快楽の息差しを見出していた。


 あの感情は消えていた。

 りつきからも、いつかの強情は消えていた。


「りつき、……」



 愛してる。私が付いてる。貴女を見せて。…………



 ありきたりな恋人達であれば、けだしここで甘くささめく。

 里子に次の言葉はなかった。

 言葉にならない想いは口づけになった。唇からおとがいへ、喉へ、乳房の間へ──…たわむ肢体を啄ばみで縫いとめながら、ほぐれた窪みに指をうずめた。ややあって入り組んだ肉襞が里子の行く手を阻んだところで、ひと思いに貫いた。

「はぁうっ!!……ぅ、……」

「痛い?」

「は、ぃ……ん、んん……」

 里子がりつきを見上げると、今までの快楽的な気色は消えていた。初めて異物を受け入れた少女特有の苦艱が張りついていた。
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