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飼育✻販売のお仕事
第19章 甘い残り香
くちゅ……くちゅ…………
慎重に指を動かしながら、親指を陰核にこすりつける。
りつきの身体が、びく、びくんと跳ねた。
「ぁっ……あん……ああぁ……あっ……」
乳房に愛撫を施して、へそを囲ってキスを散らす。
里子は、新たに指を一本増やした。
「ゃっ、もぉ……あっ……」
「怖くないから。りつき、ちゃんと受け入れてくれてる……貴女の中……素敵よ……」
「あっ!!ぅっ…………あああぁぁっっ」
三本目の指を差し入れたところで、りつきが髪を振り乱した。嬌音とも悲鳴ともつかない絶叫の中、里子は利き手にとろみとは違う潤沢を覚える。
りつきから指を引き抜くと、無色透明と鮮やかな赤がまとわっていた。
蒸らした胡桃と鉄錆が入り混じる指を、里子は唇に含む。
「…………」
りつきは、ぐったりとシーツに身体を投げ出していた。
「りつき」
「ん、……」
「ごめんね」
「んん、ふ」
「貴女が欲しかった。痛い思いをさせたとしても、貴女に私を」
「っ、…………。何、故、……」
たとしえない黒の覗く双眸の真横に頭を預けて、彼女の肩を抱き寄せた。
謝罪の必要性は里子にない。だが、そうした素振りを見せるだけで、単純思考の仔ウサギは、ロマンチックな情緒を見せて、破瓜を強いた女の背中に腕を回す。
「里子さんに、こうして欲しかったのかも……知れません……」
掠れたソプラノは火照っていた。
里子は、りつきにまとわるパステルピンクの髪に手櫛を通していた。