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今から恋を始めよう
第8章 よ
「佐々木さん。ハンティングされたよね?」
「え・・・あのっ!」
「大丈夫。今回は吉野さんからきちんと報告を受けてる。
ただし、見逃すのは今回だけだよ」
「・・・・はい。すみませんでした」
「そのハンティングをしようとした会社は
今回のプロジェクトの内容をどこかでつかんだらしい」
「・・・・」
呆然としている私に、笑いかけて
「ちょっと楠に一本電話を入れて来る。まだ会社にいるはずだ。待ってて」
と、急に仕事でも思い出したのか、
野口さんは店の外に出て、電話をした。
数分して帰ってきた野口さんは
「明日、吉野さんの飛行機の時間が分かったよ」
と、笑顔で言う。
「え・・・・」
「羽田、午前9時45分発だ」
「あの」
「顔を見て話したほうが良い。午前の半休届は出しといてあげるよ」
野口さんはそう言って、ウインクした。
私は野口さんにお礼を言って。
そして、家に帰ってよく考えてみる。
色々なことをいっぺんに知って。
頭が混乱していたけど。
それでも、明日空港で吉野さんを捕まえる事が出来たなら。
もう、本心と違うことは言いたくない。
最後のチャンスを野口さんがくれたんだ。
私一人だったら、飛行機の時間さえ調べることは出来なかった。
だから。
後悔しないために、考えろ。
自分がどうしたいのか、考えろ。
私は自分に言い聞かせた。
「え・・・あのっ!」
「大丈夫。今回は吉野さんからきちんと報告を受けてる。
ただし、見逃すのは今回だけだよ」
「・・・・はい。すみませんでした」
「そのハンティングをしようとした会社は
今回のプロジェクトの内容をどこかでつかんだらしい」
「・・・・」
呆然としている私に、笑いかけて
「ちょっと楠に一本電話を入れて来る。まだ会社にいるはずだ。待ってて」
と、急に仕事でも思い出したのか、
野口さんは店の外に出て、電話をした。
数分して帰ってきた野口さんは
「明日、吉野さんの飛行機の時間が分かったよ」
と、笑顔で言う。
「え・・・・」
「羽田、午前9時45分発だ」
「あの」
「顔を見て話したほうが良い。午前の半休届は出しといてあげるよ」
野口さんはそう言って、ウインクした。
私は野口さんにお礼を言って。
そして、家に帰ってよく考えてみる。
色々なことをいっぺんに知って。
頭が混乱していたけど。
それでも、明日空港で吉野さんを捕まえる事が出来たなら。
もう、本心と違うことは言いたくない。
最後のチャンスを野口さんがくれたんだ。
私一人だったら、飛行機の時間さえ調べることは出来なかった。
だから。
後悔しないために、考えろ。
自分がどうしたいのか、考えろ。
私は自分に言い聞かせた。