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サイドストーリー5
第16章 ハートのエース
私とヒロくんが恋人になったその日の夕方、
今まで見たこともないようなムスーッとしたお兄ちゃんが
腕を組んで、心なしかのけぞって
私の隣に座るヒロくんを睨みつけていた。

「で?約束の7年まで1年早いと思うけど?」

いい訳なら聞くぜ。と偉そうに顎をクイックイッとした。

「確かに。ナオが大学生になるまで待つって約束を破ったのは謝るよ」
「・・・・」
「でも、6年ぶりに話したナオは可愛くてもう手放せないと思ったんだ」
「俺との約束より大事だったかよっ」
「だから、ごめんって言ってるだろ」
「誠意が感じられないんだよ」
「それはマサが聞く気がないからだろ?」
「ヒロがそれを言う権利があるのかよ?」
「マサは本気になった女がいないから分からないんだよ」
「あーあー。分かりませんね。小学生なんか好きにならねぇもん」
「ナオはもう高校生だ!」
「同じだろ、ロリコン野郎」
「お前、自分の妹だろう?」
「だからムカついてるんだよ!俺の妹をたぶらかしやがって」
「たぶらかしてない!本気だって知ってるだろ?」

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