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サイドストーリー5
第18章 王子の甘い罠②
「私は寂しかったんじゃないってば」
「俺は寂しかったよ」
「・・・・私も」

急に素直になるすみれさんは本当にかわいい。

「じゃぁ、DVD送るよ」
どうせ見ないと思うけど。そう思いながら笑って言えば

「ついでだから、小説も買って送ってちょうだい!」
「え?」
「あのシリーズね!もう持ってきたのは全部読んじゃったのよ!」

数冊持って行った本を全部読んじゃったってことは、
山口さん以外とは飲みに行ってないで
ほぼ毎日まっすぐ帰ってきてるんだな。
そう推測つけて俺は機嫌が良くなる。

「あれを俺が買うの?」
「俺以外いないでしょ!頼むわね!」

恥ずかしさを隠すために強気に出るところもまたかわいい。

「はいはい。数冊買って一緒に送るよ」
「え?恥ずかしいからいやだって・・・」
「恥ずかしいよ?男が女性用の『過激な』官能小説を買うんだから」
「・・・・うん」
「でも、すみれさんの頼みなら何でもかなえてあげるよ」

「・・・・・」
「愛してるよ。早くこっちに帰ってきてね」
「うん。私も愛してる」

そういって電話を切った。

さて・・・
どんな顔をして買いに行こうか。
恥ずかしいけど、好きな彼女が一人の時間を紛らわすために読む官能小説を買いに行くことが
そんなにいやでもないことに気が付いた。

END****


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