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サイドストーリー5
第21章 出会いは必然に
梅雨が終わりそうな7月の蒸し暑い夜。
仕事を終えた駅までの道のり、疲れた肩に手を当てて首をぐるりと回した。
「陽菜」
後ろからちょっと太い声で呼ばれた。
「あ~。良治クン」
大川さんの、学生時代の友人だ。
「あんたバカなの?何回も言ってるけど、アタシはリョウコよ」
見た目は綺麗なおねーさんだ。
声を聞かない限り、男だとは分からない。
もともと華奢なんだろう。たち振る舞いに疑問もない。
「あ。ごめん。リョウコさんも帰るところ?」
「もう8時よ~?アタシだって帰るわよ。陽菜もあんまり遅くなると
孝志が心配するわよ」
リョウコさんは大川さんの事が好きだ。
それを私に隠さない代わりに、私の事もちゃんと大川さんの彼女として扱ってくれる。
「今日ね大川さん仕事で遅くなるんだって」
「へぇ。じゃぁ、ご飯一緒に食べて行く?」
「リョウコさんのおごり?」
「あんた、えげつないわね~。あんたの方が稼いでるでしょう?」
「そんなことないよ!ただのOLだもん。リョウコさん歯医者さんじゃん!」
「あたしは雇ってくれるところがないから手に職稼業なのよ!」
およそ歯科医には見えない色っぽい恰好で、きっと胸も私より大きいリョウコさんは
「割り勘よ。女同士なんだから」
と笑った。
「そうね。割り勘で行きましょう」
サバサバしているリョウコさんとの飲みは楽しい。
リョウコさんの知り合いのお店で美味しい物を食べて飲んで
酔ったところでいつものように寝てしまった。
仕事を終えた駅までの道のり、疲れた肩に手を当てて首をぐるりと回した。
「陽菜」
後ろからちょっと太い声で呼ばれた。
「あ~。良治クン」
大川さんの、学生時代の友人だ。
「あんたバカなの?何回も言ってるけど、アタシはリョウコよ」
見た目は綺麗なおねーさんだ。
声を聞かない限り、男だとは分からない。
もともと華奢なんだろう。たち振る舞いに疑問もない。
「あ。ごめん。リョウコさんも帰るところ?」
「もう8時よ~?アタシだって帰るわよ。陽菜もあんまり遅くなると
孝志が心配するわよ」
リョウコさんは大川さんの事が好きだ。
それを私に隠さない代わりに、私の事もちゃんと大川さんの彼女として扱ってくれる。
「今日ね大川さん仕事で遅くなるんだって」
「へぇ。じゃぁ、ご飯一緒に食べて行く?」
「リョウコさんのおごり?」
「あんた、えげつないわね~。あんたの方が稼いでるでしょう?」
「そんなことないよ!ただのOLだもん。リョウコさん歯医者さんじゃん!」
「あたしは雇ってくれるところがないから手に職稼業なのよ!」
およそ歯科医には見えない色っぽい恰好で、きっと胸も私より大きいリョウコさんは
「割り勘よ。女同士なんだから」
と笑った。
「そうね。割り勘で行きましょう」
サバサバしているリョウコさんとの飲みは楽しい。
リョウコさんの知り合いのお店で美味しい物を食べて飲んで
酔ったところでいつものように寝てしまった。