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サイドストーリー5
第21章 出会いは必然に
孝志は最初にアタシを理解してくれた人だった。
だから、消したくても消せない0.1%の男の部分を表面に出して話題にされるとは思いもしなかった。
「悪い」
もう一度言ったその言葉のあと、タバコを灰皿に押し付けた。
少し重くなった空気の中、陽菜がアタシたちの声で目を覚ました。
「あ。大川さん。リョウコさんが呼んでくれたの?」
「そうよ。あんた寝ちゃうから」
「ごめん。会計して」
そういう陽菜に、気まずい雰囲気を作った孝志がお財布から1万円札を出した。
「陽菜の分」
そう言った孝志の手を陽菜が押しとめる。
「これは女子会だから。綺麗に割り勘なの。それに自分で払うから」
そう言って陽菜はバッグからお財布を取り出す。
何も言わないアタシと孝志をしり目に店員からレシートを受け取って
お財布を探った。
「はい。5,824円。きっちり半分ね」
「うん。楽しかったわ」
「私も、リョウコさんまた誘ってね」
「おーけー。今度は孝志も一緒にね」
そう言ったアタシを一瞬だけ、ほんの一瞬だけじっと見つめた。
「そうね」
そしてそんな時間はなかったかのようににっこり笑う。
勘のイイコね・・・
アタシと孝志の空気を読みとったんだ。
「おやすみ」
そう言って帰った2人を見送って、帰る気にならずにもう1軒寄ることにした。
「親友かぁ。まぁ・・・いいか」
翌日、ニュースで梅雨明け宣言をしていた。
END******
だから、消したくても消せない0.1%の男の部分を表面に出して話題にされるとは思いもしなかった。
「悪い」
もう一度言ったその言葉のあと、タバコを灰皿に押し付けた。
少し重くなった空気の中、陽菜がアタシたちの声で目を覚ました。
「あ。大川さん。リョウコさんが呼んでくれたの?」
「そうよ。あんた寝ちゃうから」
「ごめん。会計して」
そういう陽菜に、気まずい雰囲気を作った孝志がお財布から1万円札を出した。
「陽菜の分」
そう言った孝志の手を陽菜が押しとめる。
「これは女子会だから。綺麗に割り勘なの。それに自分で払うから」
そう言って陽菜はバッグからお財布を取り出す。
何も言わないアタシと孝志をしり目に店員からレシートを受け取って
お財布を探った。
「はい。5,824円。きっちり半分ね」
「うん。楽しかったわ」
「私も、リョウコさんまた誘ってね」
「おーけー。今度は孝志も一緒にね」
そう言ったアタシを一瞬だけ、ほんの一瞬だけじっと見つめた。
「そうね」
そしてそんな時間はなかったかのようににっこり笑う。
勘のイイコね・・・
アタシと孝志の空気を読みとったんだ。
「おやすみ」
そう言って帰った2人を見送って、帰る気にならずにもう1軒寄ることにした。
「親友かぁ。まぁ・・・いいか」
翌日、ニュースで梅雨明け宣言をしていた。
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