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サイドストーリー5
第23章 心も抱きしめて
ちょっとこれから当分忙しくなるから会えないな。
メールも思うようにできないと思う。ごめん。

石島さんにそう電話で言われたのが2週間前。
確かに私も忙しい時期だけど
土日も含め2週間もまったく音沙汰がないってど―ゆー事?

毎日メールくれなんて、私も忙しいから言わないし言えないけど。
それでも2週間もまったく連絡できないほど忙しいの?

そう思って、今まで我慢していたメールを打ちこむ。
「石島さん。忙しいようですが大丈夫ですか?ご飯でも作りに行きましょうか?」

私が打ったメールから数日たって
「イヤ。大丈夫」
と返事が来た。

何が大丈夫なの?
本当に大丈夫なの?
・・・って私が大丈夫じゃないんだってば!

私も忙しかったけど、金曜日に半休を取る宣言をした。
午後は休んで石島さんの部屋で待ち伏せしてやる!

いい加減石島さん不足になった私は、買い物をして合い鍵で石島さんの部屋に入って
夕飯を作って待っていた。

それなのに・・・
待てど暮らせど石島さんは帰ってこない。
「おーい。日付はとっくに変わってますけど」
一人の部屋でそう声に出してみる。

思わず大きなため息をついた。

そうだよね。終電に乗れない事が多いから
この部屋に住んでいるんだもんね。

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