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第3章 夫婦のカタチ

3年半付き合った彼女のエミと、30で結婚した。

俺は実家が京都の日本海側、京都市民からは福井県民だとみなされる地域の田舎で。
大学は京都で下宿、卒業後は大阪で1人暮らしをしていた。彼女が実家暮らしだったから、同棲はしなかった。

結婚してもうすぐ1年。
まだ、子供が出来る気配はなく。

付き合っていた時は愛し合う、という感じだったセックスが、今や子作りという義務に変わりつつある。

別に、エミの身体に飽きたとか、そう言うのじゃあない。普通に欲情もするし、抱きたいとも思う。

ただ、エミは、俺より2つ上の今年33歳。親とかにせっつかれたり、35過ぎると云々という情報に、タイムリミットも感じているのだろう。

結婚半年を過ぎたあたりから、基礎体温をつけ出したり、カレンダーの排卵日に丸をつけたりしだした。

そうなるとコッチは萎える、というか。愛し合う、のではなくて本格的な子作りで、甘い雰囲気などはない、ただの義務に成り下がる。