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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第2章 バレンタインの事情♡その①…千隼…
「だったらそんなに買ってこなきゃいいでしょーに!」
「わかってないなぁ…あぁ、わかんないよねぇ♪甘いモノが食べなられないかっわいそーな人にはこの気持ち。かっわいそ、ホントかっわいそ」
「っ、そんなの………知りたくないけど、なんかムカツク」
ちょっとちょっとちょっと…
っていうかね、そんなことしてたらホントにね
「ね、アイス溶けちゃ…」
「「…………」」
……む、無視か!!
いつものことながら、こうなってしまうともはやアタシの声は届かない。
となれば、早く来たれ!!次の救世主!!
アタシのアイスクリーム溶けちゃうからぁ…
これじゃ、イチゴすら食べられない。
イチゴっ!!
アイスっ!!
帰ってこーい!!
…と、その時、抜群のタイミングでリビングの扉が開いて救世主登場の福音をもたらす。
「っ……!!」
きたっ!!帰ってきた!!
困ったときの救世主!!
メシア様ぁ────♡
「…ただいま」
アタシはすぐさま振り向いて、帰宅ほやほやの彼に救いを求める眼差しを投げ掛ける…
だが、その瞬間、強い目眩がアタシを襲った。
う…ぅ…
戦場に舞い降りた救世主。
そのまばゆい姿に目が眩む。
黒のロングコートに黒革のグローブ…
おかしいな…黒ってこんなに眩しい色だったっけ。
さらには、フルオーダースーツの胸元の緩められたネクタイがなんともアンニュイな感じで、溢れだす半端ない色気。