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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第2章 バレンタインの事情♡その①…千隼…
「あ、そうだ♪これこれー」
「ちょ、無視!?」
「うん、無視♪」
…おぉいっ!!
すると、聖くんはさりげなく葵くんに無視宣言をしつつ、思い出したようにお土産だよ♪とローテーブルの上に何やら箱を並べていく。
「ね、これ♡早く食ーべよっ♪」
「………!!」
え…、これって…
目を疑って見れば、30種類以上のフレーバーがいつでも楽しめることでお馴染みのアイスクリームショップのバラエティーボックスが山積みだ。
「ウ…ソ…」
「あはっ♡全種類買ってきちゃった♪早くっ、溶けちゃう」
って、マジか!!
まさかの一気に全フレーバー制覇の大人買いとかって…夢みたい♡
今シーズンの期間限定フレーバー、まだだったんだ♪
キラキラの笑顔を向ける聖くんに、アタシの瞳もキラキラになる。
しかし案の定、ここで葵くんのちょっと待ったが掛からないはずもなく…
「ダーメ聖、オレが先」
「…イチゴは溶けない」
「冷凍庫入れて」
「…こんなに入んない」
えっと…
アタシにすり寄る聖くんに己が先だと主張する葵くん。
しかし、聖くんはもちろん素直に聞くはずもなく、アタシの目の前でふたりのオトコの"ああ言えばこう言う"のバトルが火蓋を切るのだ。