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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第7章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚
甘い甘いミルクを、熱い熱い唇で。
何度も何度も…
カップの中身がなくなるまで…
しかし、
「ん…っ、は、ぁ……」
カップの中身がなくなってもその行為が尽きることはなかった。
…理由は明確。
それはアタシが甘いミルクよりも彼の唇を、否、彼自身を求めるようになってしまっていたからだ。
そもそも初めからそうだったのかもしれない。
唇に触れる、その温もりがもっと欲しかった…
アタシに触れる渚くんがもっと欲しかった。
だから、初めからホットミルクを彼に飲ませてもらうなんてのは口実で…
行為そのものの意味が次第に変わっていってしまうのは時間の問題で…。
途中、これで最後だ。と言った渚くんがアタシの顔を見て困惑したのを覚えている。
”…今お前に、そんな顔されてもな…”
指先で頬にそっと触れながら、どこか切なそうな瞳で真っ直ぐアタシを見つめ言った彼。ただそれはまるで彼自身に言い聞かせているような言い方で…
そんなこと正常な時に考えれば、彼の優しさだってすぐにわかることなのに。
…ゴメンね、渚くん。
渚くんの言ってることは聞こえてるのに、今のアタシはその意味を何も理解しようとすらしていない。
ただ目の前にある唇に触れたくて、触れてほしくて…
もうそれだけしか考えられなくて…。
「バカだな…お前…」
それから彼のため息はうわごとのように名前を呼んだアタシの声に搔き消されて、交わした会話はこれが最後…