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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第2章 バレンタインの事情♡その①…千隼…






その日もアタシは帰宅した彼におみやげと称したプレゼントをもらう。

ここまではいい…ここまでは。

だけど、全員からもらったのだ。

それも、なんでもないのに同じ日に…だ。


その時は偶然かと思ったんだけど、それはどうやら違ったようで…

どういうわけかその日を皮切りに、全員からプレゼントを与えられ続けてて、

それに加えて、なんだかいつにも増して優しいっていうか、妙に態度の糖度が高いのだ。

そして、同じく続くのが帰宅後のあのやり取り…


ねぇ、それって明らかにおかしくない!?

甘やかされるのも度が過ぎる…

そう思うのはアタシだけ!?

気のせいだったりする!?


………


いやいやいや、

そんなわけないから。

絶対変だから!!


だからと言って問いただしたところで、全員が口を揃えて気のせいだって言った挙げ句に、うまくはぐらかされてあの手この手で黙らせられて終了ー♪

…ってオチの繰返しだ。


「はぁ……」


なんか疲れた…

考えれば考えるほど疲れる。


ふたつ目の溜息と一緒に肩を落として高い天井を仰ぐ、


と…


「ちぃ…」


ふいに膝のうえから伸びてきた手がアタシを引き寄せて…


「んわ……!!」


額同士がコツンと音をたてると、あっという間に顔が真っ赤になった。

そして触れそうになる唇から聞こえてくるのは寝起きだからから、少し掠れた優しい声で…




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