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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第9章 クリスマスなんて…☆【雅】
「…あのね、クリスマスなんだけど」
彼女のつぶらな瞳がオレをそう覗き込んできたのは、ついこないだのことだった。
黒目がちの大きな瞳にくるんとカールした長い睫毛を揺らして、千隼の膝に頭を乗せてソファーに寝そべるオレに彼女が控え目に話かけてくる。
自分より少し高い彼女の体温が気持ちよくてついうとうとしていたオレを、仕事で疲れて眠っているのだと思ったようだ。
そんな些細な気遣いができる彼女は、オレにまとわりついてくるそこら辺のモデルや芸能人なんかよりも断然可愛い気があって綺麗だろ。
…なんて、オレが正直素直にそんなことを口にすることなんて滅多にないけれど、自他とも認めるオンナ嫌いのオレがこんな風に無防備に気を許して膝枕なんてするのはコイツだけだ。