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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第9章 クリスマスなんて…☆【雅】
"……普通がいい"
それからクリスマスをどう過ごしたいかと聞いてきた彼女にオレはそう答えていた。
言ったあとにすぐに、言葉足らず。そもそも"普通"ってなんだよって壁にぶつかったけど。
その壁を崩すように、オレは彼女に自分の要望を照れからなるべく乱雑な言葉にならないように気をつけながら伝えた。
金をかければいつでもできることも、手に入れられるものも今はいらないんだ。
ただ、一緒にイルミネーションが見れて、
ケーキを食べて
プレゼントを交換する。
そんなのクリスマスには当たり前で、ベタでありふれてて、平凡でつまらないかもしれないけど。だけど今までの自分にとってそれはもっとも縁遠いものであったから…
そもそもクリスマスを誰かとどうかしたいとか思うのは彼女が隣にいるからこそで。
だからオレの望むのは、そんな"普通"の幸せだ。
それはまるで子供のような願いだと自分でも思う。
そしてこんなつまらないことを言うオレを彼女は笑うだろうか。