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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第9章 クリスマスなんて…☆【雅】







「ハァ…っ、バカッ……なんで建物んなかにいねぇんだよ」

「だって早く雅くんに会いたくて…」

「雪降ってんだろうが。つーか、電話でろよ」

「あ、その…忘れちゃって…」


遅れてきたのはオレなのに…

待たせたのはオレなのに…

オレよりもこんなにカラダを冷たくして、

怒りもせずにトナカイより鼻を真っ赤にして笑う彼女がどうしようもなくいとおしくて…


「…頼むから少しは怒れよ」

「え、だって…」

「どんだけこんな寒ぃトコで待ってたんだよ、お前…」


こんな時にすら素直になれないオレに…


「だって、雅くん…

アタシのためにそんなになって走ってきてくれたんでしょ?」

「ッ…!!」

「わかるからいいよ」


肩で息をするオレに背伸びをして、乱れた髪に手を伸ばしてハットを乗せ、コートのポケットから外していた眼鏡を目元に乗せてくれる千隼。


って、お前は…


「ちぃ……」

「んッ、ぅ…───!!」


もうどんだけなんだよ…






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