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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第9章 クリスマスなんて…☆【雅】








途中、顔を隠すのにかけていた眼鏡と鍔の広いハットが邪魔になって外した。

すれ違った後ろからおこるどよめきなんて今はどうでもよくて、ただ頭にあるのはこの寒空の下でオレを健気に待ち続けるアイツの姿だけで…

こんな時でも千隼は決まって外で待ってるに違いないから


"外で待ち合わせって、なんかだか普通の恋人みたいで新鮮だね"


オレのワガママのためにそう笑ってくれたアイツに…

早く会って、

抱き締めて、

震える小さなカラダを温めてやりたくて、

街のざわめきも、にわかに募る恋しさも、胸の痛みも、振り払うようにオレは懸命に走った。



……そしてようやく


「千隼ッ…!!」


雪が舞う寒空の下、約束した場所で、ずっとオレを待ち続けてくれてた千隼を見つけたオレは…


「…ぅわっ!!」


脇目もふらず、すっかり冷えきってしまっていたそのカラダを目一杯に抱き締める。




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