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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】
「……で、誰だ。誰から言われた。言え……」
「…、ヒッ…………!!」
それからオレはその日、オフィスのデスクにつくなり、部下の明智をすぐさま呼びつけていた。
流石に察しのいい明智。オレの気分がどこか優れていないことを顔を合わせた瞬間に敏感に察知するとはたいしたものだ。
…当たり前だろう。
寝起きでいきなり飛んできたアイツの強烈な平手打ちに
挙げ句の果てには、
部屋を飛び出していく間際の、瞳に目一杯涙を溜めてオレを見た千隼の顔が何をしていてもまったく頭から離れない。
目を閉じれば瞼の裏側に痛いほど焼き付けられてしまったそれが、瞬きをするたびに何度も甦ってくる始末だ。
「ハァ…」
「しゃ、しゃちょ…」
「…なんだよ」
「ため息が…」
「…そんなものついてないだろ」
部屋中に充満する自覚のないオレの深いため息…
「いえ…かれこれもう50回以上は…」
明智と顔を合わせてものの数分。
ハァ…数えてくれるなよ…
「もしや、こむす…ゴ、ゴホン、千隼さまとなに…」
「…もねぇよ」
「ヒッっ!!」
…ビクッ──!!
明らかに赤く腫れたオレの頬を凝視する明智の言葉をすかさず遮れば、怯み上がり身震いを見せてくれるこのオトコ。
って、どんな顔してんだオレは…
だけど、
「別になにも…ない…」
………なんていうのは知っての通り
真っ赤な嘘だった。