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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】






フィンランドの青ガラスのような水面に映るオーロラは、カナダやアラスカのそれに劣ることはないどこよりも格別なもの。

そんなオーロラとサンタクロースに会うため、ラップランドをオレと千隼が訪れたのは去年のクリスマスのことだった。そこで千隼がサンタと"また来年"の約束をしていたことはオレもよく知っていたことで。

だからそれを今年も叶えてやる予定でいたのだが……


"悪い、千隼……"


そこに行けばサンタクロースにはクリスマスや季節問わず一年中会える。なにせ村は一年中クリスマスムードだ。しかし、どうせなら彼女がせっかくの楽しみにしているクリスマスに会わせてやりたかった。


"…外せない仕事が入った"


オレにとっては、クリスマスとかそんなの昔からどうでもよかったってのが正直なところで、こんなのはアイツの望みでなきゃ叶えてやりたいとも思わないのに。


なのに…


──泣かせた。



オレにとってどうしても"外せない仕事"なんていう縛りのあるものは限られてくるが故に、どう足掻いてもどうにもならことだというのはわかってる。

調整のつく仕事ならとっくに片付けてどうにかしてるし、それがオレが背負ってるもの故の性だってことも重々承知している。


だけど、できることなら…


"渚くんなんて知らないからっ…!!"


…今でも叶えてやりたいと思ってるよ。




「…それで、誰だよ」


だから…




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