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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】
「…パーティーは決行…か」
邸の自室に戻り、そうポツリと呟いたオレの手元には1通の便箋が入った封筒があった。
『Joulupukki(サンタさんへ)』
閉じられた封筒の表には、英語ではなくわざわざご丁寧にもフィンランド語でそう書かれている。
…そうこれは、紛れもなく近日会う予定だったサンタ宛に千隼が直筆で書いた手紙だった。
ただ勘違いしてほしくないはのは、これが俗に言う"サンタクロースへ手紙"と呼ばれるグリーティングや世界で行われているクリスマス的企画なるものではなく、
彼女個人から彼…サンタクロース個人へ宛てたもっとも密で近しいプライベートレターなるものであるということだ。
それはつまり、去年サンタに会いにフィンランドへ飛んだのは、ただの一般の観光客としてではなく、無論特別に例外的なパイプを使ったものだということを意味する。
オレにとってそのくらいのことは、なんの手間でもない。むしろその程度でアイツが喜んでくれるなら大概は安い買いものだ。
オレの望みはアイツの喜ぶ顔。そのためならなんだってしてやろう。
…だが、
「オレにひとりで寝ろとか、すげぇ生意気…」
あり得ないくらい、まったくと言いていいほどに状況なんて望ましくない。
本来あるべきの彼女の姿はここにはなく…
それ以前に、帰ってから会話どころか顔も合わせてすらいないとか。