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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】
すると、
「あっ、兄さん♡久しぶりぃ♪♪♪」
いつも通りなんとも人懐っこい笑顔を返してくる腹黒天使。
しかも、何食わぬ顔で。
「うん、とーっても楽しい♡」
…なんてよくも言ってくれる。
「そりゃそうだろうな…」
そうじゃなきゃ、いくらお前でもただで済ましてなんておいてない。
なにせなにを隠そう、オレをフィンランドに飛べなくした張本人はこいつだからな。
「うん♡こうして楽しいクリスマスになったのは"兄さんのお蔭"だし♪大好きな姫にも会えたからぁ♡
あぁ…でも、そういう兄さんはちゃんと楽しめてる?」
「あぁ、もちろん。"どっかの誰かさんのお蔭"で十分に楽しませて貰ってるよ」
「………エヘヘ♪それはよかった♡」
「……フン(にっこり)」
──バチバチバチッ…!!
……って、見てわかるか?
事情を知らない赤の他人から見たら仲睦まじい兄弟の会話しか見えないだろうが…
このどこか憎めない天使の顔した気まぐれ腹黒野郎と、鼻をならして不敵に笑ったオレのカオス感漂うただならぬ会話。
笑顔で隠したただならぬ殺気と殺気がぶつかり合って、言葉の裏ではとんでもない言葉のキャッチボールが取り交わされてんだよ。
どうせ望のことだ。コイツの目的はオレにこのパーティーを仕切らせることじゃない。パーティーなんてオレたちを国内に足止めするだけの口実で、真の狙いはクリスマスを大好きな姫と過ごしたい♡とか、きっとそんなところだろう。というか、それしか考えられない。
まったく我が弟ながら、本当にとんでもないことをしてくれる。
今さらだが、さすがと言うべきか…
誰に似たのかと言うべきか…