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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第2章 バレンタインの事情♡その①…千隼…





それから…



「さーてと♪」


ベタベタになって悶絶し終えた雅くんをバスルームに追い払い、ゆったりとソファーに腰を沈めた聖くんがアタシを隣へと招いた。


「邪魔者は全員消えたし、ゆっくり食ーべよっ♪」

「え…、あ、う…ん」


全員って、なに!?

他のふたりは!?

葵くんと渚くんはどうしたんだろ…


「はい、ちーちゃん。あーん♡」


屈託のない天使の笑顔で悪魔発言をする聖くんを前に、なんだかそれは聞いちゃいけないような気がして、大人しく差し出されたスプーンに口をつける。


そして恒例の…


「味見…」

「ん…」


味見と称した彼の口づけ…

アタシの複雑な気持ちは、聖くんの重ねられた唇によって、容易に口のなかのアイスと一緒に溶かされてしまうわけで。

音をたて、熱い口のなかで混ざりあうふたつの味の甘い蜜…

その甘さにのぼせたのか、とびきり濃くて甘いキスをする聖くんにあてられたのか、頭の芯がボーッとする。

それを物語るように、やがて離れたふたつの唇を透明な糸が繋いでいた。


「はぁ…ッ…はぁッ…」


っ…、なんか酷い…


ソファーに座りながらも、またしても腰を砕かれてしまったアタシ…

もはや、聖くんにコトンと寄り掛かることしか出来きないのだ。


「ね…今度アイス食べる人、間違えたらもっと酷いお仕置きね」

「ん…」


そんなアタシに追い討ちをかけるように栗色の瞳を妖しく光らせ、濡れた唇で暗示をかけるかの如く囁く聖くん。






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