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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】
『彼女にとって本当のサンタクロースは私なんかではなくて、ナギサ…キミじゃろう?』
『………!!』
そうくしゃりと微笑んだ彼の言葉に、千隼の笑った顔が重なって…
『…Kiitos oikein paljon!』
"本当にどうもありがとう"…
彼の国の言葉で心からの感謝の意を伝えたオレは、早速取り出した封筒の中身に素直にペンを走らせ…
「……見ての通り、サンタからの手紙だ」
「えぇ、もう?もう読んでくれたのかな」
「あぁ、サンタクロースは慌てん坊だから、帰るまで待ちきれなかったんだろ」
「わぁ…、嬉しいな」
オレの冗談もそこそこに、"Chihaya"と宛名の書かれた封筒を抱き締め本当に嬉しそうに笑う彼女…
そんな姿に、本当にコイツはシンプルなヤツだとつくづく思うが、オレが欲しかったのは紛れもなくコイツのこんな姿だ。
「開けて読んでみてもいいかな…」
「あぁ…いいだろう」
そう微笑んでやると、身を起こした千隼がオレの膝の上に乗り、後ろから抱かれながら早速差出人が書かれた封筒の裏へと目をやる。
しかし…
「へ…」
"Nagisa"
書かれていたオレの名前に目を見張り…
「…サンタさん?」
慌てて取り出した中身に絶句する。
だってそこには、サンタクロースからのメッセージなんてひとことも書かれていなくて…
書かれているのはオレの字で…
“Rakastan sinua.”
フィンランド語でそうたったひとことだけ…
「ッ…───」