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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第13章 ちーちゃんの夏休み♡partⅣ♡
仕方なく足早に避難していった加賀美から託された電話に出るなり、悲痛な悲鳴がオレの鼓膜をぶち破る。
「…何事だ、騒々しい」
繋がった相手は、名を言わなくともわかるだろうが…
「どうしてわざわざ加賀美の電話で貴様と話さなければならない」
『どぅォォォォぉしてぇ?貴方様がお出にならないからでしょうがぁぁぁあ!!
私(ワタクシ)何度もご連絡致しましたのに、携帯もホテルを通しても貴方はお出にならずぅぅう~~~~~!!!!!』
「…………」
今なら加賀美が電話を押し付けて逃げ出していった理由が手に取るようによくわかる。何故なら、半狂乱で取り乱したこの男ほど面倒で厄介で扱いづらいものはないからだ。
"こわーい専務殿"とは加賀美もよく言ったもの。ある意味とてつもなく恐ろしい。
あぁ…そうだ。
鳴り止まない電話の正体は、日本の本社でオレの留守を守っている(はずの)専務の明智だったのだ。
「………あぁ、悪いな。少し…取り込み中だった」
『社長ぉぉおお~~~~!!!』
まさかこんな状態の明智に、着信に気がつかないほど物思いに更けていたとなど言えるわけもない。