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第13章 ちーちゃんの夏休み♡partⅣ♡

…にしても、


「やかましいな。貴様いったいどこからかけている。また騒ぎを起こすつもりか…」


恐らく明智がオレにかけてきているのは社長室か専務室のどちらかだろう。重役の執務室の壁は防音にはなっている、が……それでもヤツには立派な前科がある。

この勢いで、掴まらないオレの代わりにと加賀美の電話を鳴らしたのだろう。手持ちのすべての電話を確認すれば、着信履歴はどれもすべてヤツの名前で埋まっていた。


「それで、要件はなんだ。先程の件ならお前にすべて任せると言っただろう」

『う、ぐ…』


あぁ…やっぱりそうか。

言葉を詰まらせたところをみると、何も言わずとも明智の言いたいことはほぼほぼ想像がついた。


「…任せると言った以上、どんな結果でもお前の決定に異論を述べるつもりはない。…が、一度引き受けたのなら最後までしっかりその責任を果たせ。途中で投げ出すなど部様な真似はしてくれるな」

『っ……』


明らかに電話の向こうにいる明智が動揺しているのがわかる。

しかし、今回に限っては誰よりも有能である明智が手をこまねいて困り果てているのも想像がつくことだった。


"千隼の代わりの今夜のパーティーの連れを見繕って欲しい…"

オレがヤツにはそんな連絡を入れたのは、彼女がこちらにやって来て早々、どこかの横取りコンビに拐われてからすぐのことだった。