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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第16章 ちーちゃんの夏休み♡PartⅦ♡





「ったく、なーんで寝かしておいてくんないかなー」

「だってねー。はい、ちーちゃん、あーん……♪」

「……!!」

「だってじゃなーい、根性悪ーい…アムッ♪」

「ッ……!!」


とまぁ、なんだかんだいったところで結局いつもの具合で……

お洒落なダイニングに揃って腰を下ろし、向かえにいる葵くんがすっきりした顔でアタシの口のなかに大粒のイチゴを放り込んだと思えば、

隣から若干機嫌のよろしくない聖くんが口からはみ出した生クリームを唇で拭っていく。


「せっかくイイ気持ちだったのに…チュッ♪」


ん…


「…ね、ちーちゃん♪チュッ…チュッ…」

「いやいや、全然気持ち良さそうじゃなかったから。っていうか、そんなところにクリームついてないでしょうが」


んんんんん~~~~!!


「ううん、オレにはついてるように見えるから。邪魔…」

「じゃないっつーの!!」


甘い唇を鳴らした聖くんが、どさくさに紛れて頬やら瞼やらそこらじゅうにキスを落とす。そこへ負けじと割って入る葵くん。


「ったく、そんなんだからちーちゃんがうなされるんだっての」

「えー、そうなの?オレはちーちゃんのお陰で快眠だったよ♪」


─ドゲシッ!!


「ハウッ…」

「もしかして魔王の夢でもみた?」

「あぁ、えっと…」


近からず遠からず。むしろそっちの方がまだマシかもしれない。

葵くんを押し退けて、くりくりの瞳でアタシを覗きこんで首を傾げる聖くん。

彼は、"怖い夢ならオレがこのケーキと一緒に食べてあげるよー?"と、可愛い笑顔で頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。


そんな彼に悪夢のすべてを話せば…───。






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