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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第17章 ちーちゃんの夏休み♡partⅧ♡
え、ええと…
「…お初にお目に掛かります、千隼さま。
私(ワタクシ)、こちらホノルルにあります渚さまのホテルにて支配人を務める加賀美と申します。どうか以後お見知り置きを…」
「…は、はい………っ!?」
へ、なんぞ…!?
渚くんの!?
支配人!?
完璧な笑顔に、完璧なお辞儀。
そんな隙のない立ち振舞いに差し出された彼の名刺には、今しがた述べられた通りの事柄がしっかりと記されている。
この人が海を越えたこの地でオーナー紫堂渚を支える右腕…
物腰柔らかで、絶えぬ笑顔になにより紳士的。
年の頃は日本の本社専務の明智さんと同じくらいか少し上あたりに感じるが、印象は真逆。分かりやすく言えば、まさに明智さんを裏表ひっくり返したような人物像である。
夢の中でまで自分を泣かせる鬼の明智とはうってかわってこの神対応振りと、その洗練された所作に自然とこちらもそれ相応の対応を返したいと思う
…が、
「は、はじめまして……結城千隼と申しま…す」
今のアタシにとっては僅かに居ずまいを正す…努力で精一杯。
するとそんな様子に彼は…
「あぁ、どうぞそのままで」
「…す、すみませ…ッ─!?」
「とんでもない。お会いできて光栄です…」
─チュッ…
持ち上げた手の甲に、唇を落とし軽く音をたてた。