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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第17章 ちーちゃんの夏休み♡partⅧ♡
こうして無事(なのか!?)に雅くんに拐われアタシの略奪劇は幕を閉じた。
彼の急襲に見事にしてやられたふたりは、加賀美さんから解放されたところで、ナマの葉山雅を一目見ようと押し寄せるギャラリーにのまれ追跡不可能。
お陰で追手もなくこうして雅くんとふたりきり、今に至る。
のはいいのだけれど…
「ったく、しゃあねぇな。少し休むか抱っこのどっちかにしろよ」
「や、休むっ」
「んだよ、遠慮すんなよ」
ただ…
「遠慮なんて、し、してないし!!…おわっと」
「っ、ぶねぇな」
こんな…
こんな…
「ほら…」
─フワッ…
「っ…きゃぁぁぁあ!!」
「だから暴れんなよ、落とすかんな」
未だにまともに歩くことのできないアタシを、立派な被害者のひとりだということを忘れないでほしい。
まったく本当に…
自分にアタシが自ら抱きつく様をこれでもかとふたりに見せつけ、己の世界的知名度までもフル活用するなんて。
そりゃ充分、ギャフンと言わせたと思うよ!?
だって本当にあんな真似…
こうして今アタシを軽々と抱き上げ頬笑むこのオトコは、
本当に他の誰にも真似できない
彼にしかなし得ない方法で堂々とアタシを奪ったのだから。