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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
台風が過ぎて、にわかに秋の色を深めた高い空の下…
花壇に咲いたコスモスにトンボがとまる。
もう気が付けばあんなに暑かった眩しい夏の日もあっという間で、西の山に燃えるような夕陽が落ちるとたちまち涼しげな夜風に虫たちの重なるハーモニーが運ばれてくる季節になった。
"初秋"
それはそんな言葉がぴったりのとある日のとある夜のこと。
「う…ん…?」
…あぁ、いけない。
いつの間に寝てたんだろう。
アタシはふと浅い眠りから目を覚ました。
横になっていたのはひとり自室のベッドのうえ。
傍らでは読みかけで開かれたままの本が、窓から吹き込んだ夜風にパラパラとページを踊らせている。
それを目に思い出すのは、確か自分はお風呂あがり彼に借りた本をここでめくっていたのだが…ということだ。
そのままいつの間にか眠ってしまったのだろう。どのくらい時間がたったのだろうか。
ベッドサイドの時計を見れば、針は日付が変わる少し前の時刻を指していた。