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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第4章 バレンタインの事情♡その③…渚…






─2月14日は楓の誕生日だった。


なにがスーパーミラクル超絶イイオトコだ。

やっぱり楓は鬼で悪魔で暴君の他の何者でもないじゃないか…


オレが欲しいのはそのケーキじゃねぇっつーの。

バースデーケーキなんかじゃない、正真正銘のバレンタインのチョコレートだ。


ため息をついたところでなにかが変わるわけでもなかった。

しかし、嫌なため息が次々とオレの口を割る。


毛頭にもなかったひとりのオトコのせいで、完璧にオレたちのチョコレート戦争の主旨はとんでもない次元にねじ曲げられた。

つーかこれ、バレンタインとかチョコレート云々以前の問題じゃねぇかよ…

あのブラコンオンナめ…


「あー……頭いてぇ…」


バスルームから聞こえるシャワーの音を耳にしながら頭を抱えるオレ…

浄化されたはずの疲れがどっと押し寄せてくる。


きっと今夜、千隼が寝静まってからリビングでは楓を除いた野郎たちの葬式のような決起集会が行われるだろう。

勿論、主催者はブラックジョークも甚だしい企画書を送り付けてきた聖だ。


許せ、千隼…

とりあえず、クレープは食わしてやるから楓のバースデーパーティーは日を改めろ…







─潰し合いは終わりだ…






手段は選ばない

楓から2月14日を奪い取れ。













バレンタイン事情♡渚♡

─完─










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