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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第5章 ちーちゃんの夏休み♡
………
「…なぁ、渚さんはどうすんの」
「あー、オレは今回ホテルからあんま離れらんねぇからペントハウス住まいだな。雅、お前はどうする?」
「じゃあ、オレも渚さんのホテルにするわ。朝メシぐらい一緒に食おうぜ。いつもの部屋とれる?」
「あぁ、問題ないだろ。手配しとく」
その日の昼下がり、コーヒーカップを乗せたトレイを手にダイニングを出るとリビングの奥からそんなやり取りが聞こえてくる。
ローテーブルを挟むようにソファーに腰を沈めているふたりは、それぞれ書類を片手に真剣な面持ちで向き合っていた。
「で、フライトは?いつも通りお前だけ別でも構わないのか」
ひとりはフルオーダースーツに身を固めた渚くん。
オールブラックの洒落たスリーピースを華麗に着こなし、相変わらずの洗練された綺麗な所作を見せる彼の貫禄は半端ない。
指先までしっかり纏った妙な艶に見惚れるどころか、目のやり場に困って目が泳ぐ。
書類に目を通してるだけでこの様とか、世の中はいったいどうなってるんだろう。
だいたい存在事態がやっぱり毒なんだな。
それも特効薬なしのそりゃもう命に関わる猛毒確定だ。