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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第5章 ちーちゃんの夏休み♡
できることなら、密封して取扱注意のレッテルを今すぐ貼ってやりたいけれど、
もはや中毒者の枠のなかに片足を突っ込んでるアタシにそれができるかどうかなんて…
"愚問だ"って本人に笑われた挙げ句にイジメ倒されるのがオチだと思う。
「さてどうするかな…」
そしてそんな劇物に向かい合うもうひとりの存在。
それは、パーカーのフードでおかぶり男子を決め込んでいる雅くんだった。
こっちは渚くんとは対照的にラフな装いでいらっしゃるにも関わらず、到底"世界のMiyabi Hayama"のオーラは消せるわけもなく、その存在感は圧倒的で…
しかも、あぁ…
お願いだから、その完璧ボディーのチラリズム攻撃やめてください。
猛烈に目のやり場に困るし、なのに目が勝手に見ちゃうし、勝手に起こる脳内反乱にどうすればいいかわからなくなる。
結果的にガン見っていうオチが待ってるのは目に見えてるケド…
それにしても真夏に黒ずくめのオトコがふたり。
端から見ればどう考えても色といい、格好といい暑苦しそうなのに、まったくそう感じさせられないのはバッチリ効いた空調のせいなのか、それとも彼らの端正な風貌のせいなのか。
はたまた、悲しくも麻痺したアタシの感覚がおかしいのか…
そんなふたりが顔を合わせているリビングの一角はまるで異空間だった。
もちろん、コーヒーを運ぶアタシの足が向かう先もその異空間なんだけど。