この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
他人の妻、親友の夫
第11章 享楽の果て
「海晴には夢があるんだから……怠けてる訳じゃないから。それは私が一番よく分かってるよ」
「三十手前でこの様じゃ、プロになんて慣れないってことくらい、俺が一番よく分かってるよ」
妻の言葉を返すように海晴が呟く。
「もう無理なんだって、分かっていながら俺は続けてるんだ。それはもう、しがみついてるっていうだけ。パフォーマーとして生きているんだと思うことだけで繋がってる夢だ。スポーツクラブのインストラクターが関の山だ。それだっていつまで出来るか分からない」
焦りや苦悩を思い詰めた、煮詰めすぎた言葉には、一分の隙もなかった。
志步はその言葉を聞くのがただ苦しくて、彼を抱き締めたくなる。
「まだまだ、これからだよ、海晴はっ」
嗚咽でぐちゃぐちゃの声で訴える。
「三十手前でこの様じゃ、プロになんて慣れないってことくらい、俺が一番よく分かってるよ」
妻の言葉を返すように海晴が呟く。
「もう無理なんだって、分かっていながら俺は続けてるんだ。それはもう、しがみついてるっていうだけ。パフォーマーとして生きているんだと思うことだけで繋がってる夢だ。スポーツクラブのインストラクターが関の山だ。それだっていつまで出来るか分からない」
焦りや苦悩を思い詰めた、煮詰めすぎた言葉には、一分の隙もなかった。
志步はその言葉を聞くのがただ苦しくて、彼を抱き締めたくなる。
「まだまだ、これからだよ、海晴はっ」
嗚咽でぐちゃぐちゃの声で訴える。