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他人の妻、親友の夫
第2章 欲望の渇き
絶望的な絶頂を迎えた後、気まずい空気が漂った。

「……すいません」

無様なまでに追い込んでしまった志歩に謝ったのか、人の妻を無茶苦茶にしてしまったことに詫びたのか、秋彦は頭を下げた。

「もう! やりすぎでしょ、秋彦さんっ!!」

重い空気を破ったのは理依だった。
すぐに志歩に寄り添い、噛みつかれた首筋を労り、汚れた性器を拭ってやった。

「大丈夫?」
「……はい」

優しいお姉さんの介護にようやく志歩も落ち着きを取り戻す。

「今日はもう終わり。志歩は海晴さんのテントに行こうね」
「ありがとうございます……」

志歩の足取りは覚束ない。
海晴の肩を借りて不安定な小石の地面を歩いていく。

「私も向こうのテントで寝るんで。秋彦さんは一人で反省してください」
「ああ。悪かったね」

面倒見のいい理依の性格を知る彼は素直に受け入れる。

狂気の淀む夜は、こうして幕を閉じた。


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