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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
『この人は私を見てくれている』
そう感じた理依は秋彦とコンタクトを取る仲に発展した。
視られる悦びと視る悦び。
歪な愛情を持ち寄った二人だったが、互いに真面目な性格のため純粋な愛を育むことができたのだった。

覗かれていることに気付きながら、理依は素知らぬ振りをしてシャワーの水圧で泡を流していく。
しかしそのままでは愛する夫に背中しか視てもらえない。
彼女は浴槽のヘリに座った。ふくよかな白い双丘には幾つもの水滴が滴っていた。
今年で三十になったその裸体だが、衰えるはおろかますます妖艶さを増してきていると秋彦は感じていた。
若い娘には纏えない、艶やかでいながら妖しい美しさ。
その魅力的な肢体にシャワーの水圧が上から下、下から上と舐めていく。
秋彦の視線もそのシャワーの動く方向を追っていた。

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