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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
蒸気が石鹸の清々しい香りを帯びてむわっと溢れ出す。
そしてその先には泡を纏った理依の後ろ姿があった。
細くストレートな黒絲はたっぷりと水分を孕み、より黒々と豊かに光る。
それが白い彼女の肌とコントラストを作っていた。

風呂を覗く。
この行為は新婚当初から、いや出会った頃から続く、二人の特別な時間のひとつだ。

二人が知り合ったのは大学の構内などではない。
裸の写真を投稿する妖しげなサイトであった。
理依は以前から人に見られたいという願望が強く、裸や下着姿の写真をネットでアップしていた。
パソコンの知識がない彼女は自分のサイトを立ち上げるということはせず、そういったいかがわしいサイトをあちこち探しては自撮りした猥褻な写真を載せることで自らの歪んだ性欲を満たしていた。
もちろん顔は撮さない写真ばかりだった。

しかしその都度彼女を見つけてはコメントを残したのが秋彦だった。
はじめは偶然かとも思ったが、それは毎回続いた。
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