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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
雷を怖がっていた時の、子供のような頼りなげな可愛さはもはやそこにはない。
淫悦に耽る堕ちた女神のようだった。

シャワーが当たり弾ける単調な音なのに、それすらも卑猥に聞こえる。
苦しそうに脚が伸び、足の指は何かを掴もうとしているように力を籠めて曲がっていた。

今すぐ押し倒してしまいたいほど愛しさがこみ上げる。
しかしそんなことをしては台無しだ。
自然と秋彦も手のひらを握り締め、妻の昇り果てる瞬間を見守っていた。

「っっ……はぁっ……」

理依は目を見開き、顎を付き出す。
そして一瞬だけ視線を夫に向けた。
一秒にも満たない瞬間、二人の視線が絡んだ。

「あぁあ……」

熱気の塊を吐き出すように、理依は喉を震わせた。
目は魂が抜けかけたように虚ろだが、表情は艶々と満足に満ちている。

秋彦は静かに戸を閉め、その場を離れていた。
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