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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
リビングに戻り何事もなかったかのように化学誌を手に取る。
目は文字を追うが脳裏に浮かぶのは妻のシャワーオナニーに耽る姿だった。
軽く触れてみるとまだ固さは維持している。
しかしそれはあの夜営の夜に達した強張りとは比べ物にならないほど頼りないものだった。

「あーさっぱりした」と理依が戻ってくる頃には、溶けかけた冷凍肉のように気味の悪い固さにまで落ちてしまっていた。

「寝ようか?」

雑誌をテーブルに起き彼女の唇にキスをした。

「うん……」

理依ははにかみながら頷く。
洗い立ての髪のからは濃厚な鼻の香りが立ち込めた。


豆電球だけのオレンジに染められた寝室。
ベッドに腰掛けた二人は始まりの儀式のようなキスを交わす。
彼女の舌は熱く、情熱的に絡みつく。
清楚で控え目な彼女がこれ程までに情熱的であることは自分以外知らない。
いや--
今は志歩の夫、海晴も知っている。

それを思い返し、秋彦の局所に血が巡り集まった。
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