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他人の妻、親友の夫
第6章 超える一線
城崎(きのさき)は町の真ん中に川が貫かれており、それに寄り添うように幾つかの外湯が点在している。
萎びた風情を出しているが、本当に時代に取り残されているわけではなく敢えて景観として残しているようだった。
「まずはどこから入ろうか?」
外湯マップ片手に浮かれた声でそう言ったのは志歩だ。旅館で浴衣に着替えていたが、勝ち気そうな顔立ちのの彼女には少し似合わない。
海晴はそんな妻より隣で歩く理依の方に目を奪われてしまっていた。
風貌からも控え目に見える彼女だが、胸元だけは大きく自己主張をしている。胸が小さい方が浴衣は綺麗に見えるなどというが、こうして比べてみると怪しい説だと思わずにはいられなかった。
「まずはって、そんなにあちこち入るのか? 一ヶ所でいいだろ、温泉なんて」
つい人の妻に視線を注いでしまったことが後ろめたく、海晴はわざと興味無さそうに返した。
萎びた風情を出しているが、本当に時代に取り残されているわけではなく敢えて景観として残しているようだった。
「まずはどこから入ろうか?」
外湯マップ片手に浮かれた声でそう言ったのは志歩だ。旅館で浴衣に着替えていたが、勝ち気そうな顔立ちのの彼女には少し似合わない。
海晴はそんな妻より隣で歩く理依の方に目を奪われてしまっていた。
風貌からも控え目に見える彼女だが、胸元だけは大きく自己主張をしている。胸が小さい方が浴衣は綺麗に見えるなどというが、こうして比べてみると怪しい説だと思わずにはいられなかった。
「まずはって、そんなにあちこち入るのか? 一ヶ所でいいだろ、温泉なんて」
つい人の妻に視線を注いでしまったことが後ろめたく、海晴はわざと興味無さそうに返した。