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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第8章 オレもキミが好きってことだよ
ただ少し……寂しい
感傷に浸りながら、恋人は光溢れる街を抜け、家路につく
「そうだ、プレゼントまだだったね」
お互い何となく言いだしにくくて、家のドアの前に来てやっと美和の方から切り出した
「なんかラッピングするのもなと思って……これ」
そう言って美和が取り出したのは、キラキラとしたネックレス
少しチェーンが長めだが、普段凪が付けているものよりシンプルで綺麗だった
「……」
黙ったままの凪の首に美和はそれをかける
「……気に入らなかった?」
「いや……」
そういう割りには困った顔で目をそらす
「……」
そのまま何も言わず、美和の方へ手を差し出した
その手には、丁寧にラッピングされた細長い箱−−−
「あ、ありがとう」
二回目のクリスマスにも関わらず、二人とも初々しすぎるくらいだった
「なんだろ……去年は手袋だったよね」
「くそ寒いのに何もつけないからだ」
うん、と笑いながら、今年のプレゼントをその手袋をはめた手で包んだ
「開けていい?」
子供のような目で問い掛ける美和に
「あー……」
と何とも言えない反応を示す