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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第9章 身も心も一つに−−−
そこからは本当にあっという間だった
進級して本格的に受験勉強が始まり、遊んでいる暇もない
最初にそれから抜け出したのは美和だった
「美和ちゃん! 合格おめでとう!」
年末、推薦で合格を決めた美和が和泉家を訪れた
ガタタッ
「……今、凪の部屋から変な音が」
お邪魔します、と言って上がり凪の部屋のドアをノックする
「凪? 少し遅くなったけどクリスマスプレゼント……食べ物だから大したものじゃないんだけど……。
……凪?」
ドアを開けると、机の電気がついている
が、当人の姿はない
机上には慌てて片付けたと思われる参考書類
“勉強してると思われるのがそんなに嫌なの?”
美和はベッドに近づいて狸寝入りをする凪の上へ
ガツンッ
容赦なく荷物を落とした
「ッッ!?」
まさかそんなことをされると思わない凪は驚いて飛び起きる
「何すんだよ!」
「せっかく真面目に勉強してるんだから褒めてあげようと思って」
「してねーよ!」
ふぅん、と美和は凪を品定めするように見た
「なら別れる? いつかの約束の通り」
「……ッ」