この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第9章 身も心も一つに−−−
「してないならそれでもいいんだけど」
「わかった、認めるっ」
「そっか。じゃ、頑張ってね」
満足気に言って部屋を出る
この一年で、美和の方が何枚か上手になっている証拠だ
「お兄ちゃんも生活態度が良かったら推薦余裕なのにね〜」
陽菜乃の言葉に
「そうだね」
と曖昧な笑みを浮かべる美和
“本当になんであんなに不真面目なんだろう……
なんであんななのに私よりできるんだろう……
凪なんて……”
そこまで考えて、美和ははっとした
「美和ちゃん?」
「ご、ごめん、急に用事思い出して!
これ皆で食べて!
お邪魔しました!」
バタンッ!
風のように自分の部屋に帰ると、改めて自分の思いに愕然とする
“私……凪なんて落ちればいいって…思った……”
そのときの思いは、美和を苦しめ続けていた
「センターどうだった?」
「誰に聞いてる」
馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの凪の態度に、安堵と−−−そしてあの感情が沸き上がる
そんな中、凪を、美和を追い詰めるような出来事が起こった
「美和ちゃん……どうしよう」