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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第3章 本当の自分を見せて
「いいの……私なんかより、お兄ちゃんの方が辛いんだから」
健気な妹の発言にどうしたらいいかわからず、そうか、と言うと凪は自分の部屋に入っていった
「おっはよー!」
朝からご機嫌なのは、あの田中奈桜だ
今日は修学旅行一日目
「おはよう……テンション高いね」
めでたく凪と同じ行動班になった彼女は、周りの目も気にせずはしゃぎまわっている
“お願いだから、静かにして〜”
そんな奈桜を、うるさい、と言いたげに睨む凪を横目で見ながら友人は切実に願う
「じゃあ、私仕事あるから」
美和がそう言って離れいってから、何もすることがない凪はとりあえずしおりを開いてぼうっとしていた
“美和と同じ場所にいる時間、あんまねぇな……”
今年の二年生は、私立文系、国公立文系、私立理系、国公立理系というクラス編成になっていた
少し人数が多いため、見学する際は二つに分かれることもある
奇数クラスと偶数クラス。
二組の凪と三組の美和は、当然別行動だった
そのため凪は初っぱなからイライラ状態
“あの女……うるさい”