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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第4章 素晴らしかったわ



何故……

人が決意も新たに降り立った瞬間に出てくるのか



「なんでお前がここにいる」



凪は空港の到着ゲートで待っていた陸に苛々と質問した



「今にわかるよ」



陸はそう言うと、引率の先生と話し始めた



「すみません、お手数おかけしてしまって。凪の兄です」

「いいえ、こちらこそ申し訳ありません。あの、親御さんは……?」



成人しているとはいえ、兄が出迎えることに先生は怪訝を隠せない



「今旅行中で……凪のことは伝えてあるので、大丈夫ですよ」



その言葉に、今度は凪が顔をしかめた



“旅行とか聞いてねぇぞ”



しかし、凪をちらっと見た陸の視線に気がつき、敢えて何も言わなかった



「もし差し支えなければ、直接お話させて頂きたいのですが……もしくはお家にお邪魔しても?」



“子供の修学旅行の間に両親とも旅行に行く”という状況を簡単に信じることはできない



「帰ってきたらまた連絡しますから」



だが、陸の有無を言わさぬ口調に押し負けそうになる



「僕も成人してますし、任せて頂いて大丈夫ですから。ね?」



ね?、ともう一度念を押され−−−



「は、はい……」



負けた



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